北海道への移住について

近年、北海道への移住に対する問い合わせが増えているといいます。

今後、テレワークやリモートでの仕事環境が整ってくると、若い人たちの中では、都会を離れてのびのびと子育てをしたいという人が増えてくると予想されます。


3位にランクインした北海道は、前回調査の16位から大きく順位を上げた。

北海道ふるさと移住定住推進センター「どさんこ交流テラス」に寄せられた反応


今回の新型コロナウイルス感染症が、人の流れや、働き方の大きな意識転換につながると思います。一度、目覚めてしまうと、その意識は大きな潮流になることが予測されます。


北海道は当時時代が変わって失業した武士たちが、新天地を求めて開拓をした歴史があり、全国からの移住者たちが作り上げた地域です。

その意味では、ほぼ全員が移住者の地域であり、先祖代々と受け継がれた古い地域と根本的に異なる土地の感覚・気風があります。

東京もある意味では地方の移住者の集まりです。ですから、その感覚や気風が違和感なく、移れる場所ともいえます。


私は北海道の出身ですが、高校を卒業後東京都下で生活し、その後栃木県に移り、東日本大震災で放射能への危惧から北海道に移住しました。生まれ育った地域ではない、他の地域に移住しましたが、ほぼ、違和感なく生活しています。


当時は5人の子どもたちを抱え、放射能の影響をできるだけ避けるという視点で場所の選定をしました。また、学校はできるだけ少人数の学校が良かったので、当時は人口1200人、今ではさらに減っていますが、西興部村を選びました。


どうせ田舎に住むなら、ド田舎がいいと、個人的には思っています。

都会なら東京がいいです。エネルギーがありますから。

もちろん、その中間的な地域という選択もあります。そこそこ便利で、そこそこな場所。


人は住む空間によって、思考が変わります。狭くて、密集した地域に住めば、その感覚で思考するし、広大な大地を日々見ながら住めば、その感覚で思考します。

それが毎日、毎年、続いていくときに、人間は環境によって形成されていくように思われます。



栃木県も酪農の盛んな場所でしたが、その酪農は北海道がモデルでできたと言われており、北海道とのつながりがあります。

しかし、栃木県の酪農ではほぼ放牧は見られません。その牛たちは、はじめから栃木で生まれ育つのではなく、北海道で生まれ、育った子牛を連れてきて、栃木で育てているのです。

北海道で放牧され、のびのびと育った牛だからこそ、健康で、元気な牛に育ちます。

本来なら地元で生まれ、育った牛を育成する方がコスト的にも有利なはずですが、そうしないことの意味は酪農家が牛のストレスや健康状態について、熟知しているからです。


牛がそのようなものであるのに、人間がそのような環境を求めないのは、人間を根本的に熟知していないからではないでしょうか?

私が東京から栃木へ、そしてさらに北海道へと移住してきたのは、子育て環境を求めてのことです。あえて、少人数の学校を選んだのも、大人数の学校の弊害を、人間の根本を熟知しているからです。


働き方が変わり、どこでも仕事ができる環境になった時、その拡大した自由度をもとに、どこに自分の居場所を見つけるか、それはもちろん、それぞれの価値観や利便性や、理想に関わってきます。

その中でも、子育て世代であるなら、やはり人間の熟知という視点も忘れて欲しくないと思います。

なぜなら、その選択が、人類の未来を形成するからです。


Ken Pro  建築プロデュース

建築家は魔法使いです。それまでこの世に存在しなかったものが、創造力で物質化します。 その創造力は、クライアントの要求を物語にできるかどうかからはじまります。 ただの箱をつくるか、物語をつくるか、 それはクライアント自身が決めてください。 ただの箱をつくるなら、このサイトは必要ありません。 物語を創りたいクライアントのために、建築プロデュースはヒント、あるいは仮説をご用意しました。

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