設計者は魔術師
設計者は魔術を使います。
この世に存在しないものを、イメージするだけで、具現化します。
私はそれを魔術と呼んでいます。
この世に一度も存在したことがないものが、ある時に存在します。
そして、その存在によって、人は影響を受けます。
空間は行動を規定し、
色彩は感情を規定し、
建築はその総合によって人の人生の多くの時間を規定します。
人の動きが空間によって規定され、心地よい動き、ギクシャクした動きなど、その空間が創り出す環境によって、精神的に圧迫し、精神的に開放します。
色彩は感情を規定し、感情からくる病を癒し、成長の衝動を緩和します。
設計者は身体の動きや、心の働きを、空間や色彩によって、規定している魔術師です。
その設計者の魔術において、設計者は直感・インスピレーションを大切にします。
インスピレーションこそが魔術の源泉だからです。
頭で考えると、インスピレーションは遠ざかります。
頭は、インプットするためのスイッチに過ぎません。
頭で考えた結果を現実に落とすと、その多くは失敗します。
直感で受けたイメージに沿って、自然に素直に、流れに沿っていくことで、導かれた方向に進めます。
魔法は無理やりかけるものではありません。
魔法は自然の流れに沿って、自然の導きに逆らわないからこそ、自然の叡智が具現化し、魔法として顕在化するのです。
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