持続可能な社会
持続可能な社会とは、自然のシステムとマッチしている仕組みです。
自然のシステムは大きな目では進化する方向があるとはいえ、小さな目では循環しています。
進化する方向においても、一つの素材が変容していくのであって、何かが使い捨てられることはありません。
生物のすべての素材は自然界に由来するものであり、自然界に由来していれば、必ずその利用が次の利用に継続して、循環されていきます。
西洋文明は、自然を克服することで、文明を築き上げてきました。
自然は西洋人にとっては混沌のした無秩序であり、人間はそれに秩序を与え、利用可能にすることで自然を征服しようとしてきました。
それに対して日本人は自然を恵みととらえ、自然と共に生きていく道を歩んできました。
医学についても西洋医学は病気と闘う気が満々です。
日本人は病気は気の病ととらえ、気を正しい方向に修正することで、癒されると考えてきました。
病はそれを気づかせてくれる英知なのです。
持続不可能な社会にしてきたのは、自然を征服することで築いてきた文明の行きつく先です。
その根本的な理念を問い直さない限り、持続可能な社会には戻すことは不可能です。
国連が示す持続可能な社会はあくまでも西洋的な理念から始まっているので、人口を減らしても、ロボット化しても、人工知能にしても、解決策になりえません。根本が間違っています。
ですから、私たちは日本の古くからある伝統に目を向け、そこから理念を抽出していく作業が必要です。
日本の木造建築は木と紙、土と藁など、自然素材だけでできていました。
解体しても、自然に帰り、再利用も可能で、無駄がなく、環境に負荷を与えません。
そこに潜んでいる英知を、私たち日本人は捨てて、西洋文明を受け入れしまいました。
なぜなら、西洋文明は世界を征服し、世界を自分たちの世界にしようとする理念に基づいて、キリスト教を布教しながら、愛を看板にしながら、世界を西洋化してきたからです。
新型コロナウイルスの影響で、建設資材、衛生機器類などの供給が支障が出始めています。
世界が鎖国状態になろうとしています。
これは私には持続可能な社会へ再構築するためのチャンスではないだろうかと思われます。
日本の中の自然の素材で十分に家は建ちます。
自然を克服するのではなく、自然の恵みを頂きながら、調和した世界を作れるのです。
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