ストーリー

物語というのは、どのように生まれて来るのでしょうか?

私はユングを研究していたころ、夢日記をつけていました。

枕元にノートをおいておいて、夢から覚めたとき、夢うつつのまま、キーワードとなる言葉をメモしておきます。

だいたい夢は目覚めると忘れてしまうものですが、ノートにキーワードがあると、断片がつながり、夢を思い出してきます。


そうして夢日記をつけていくと、夢がメッセージをもって何かを意識に気づかせようとしていることに気づくようになりました。

そして、夢というのは、起承転結、ほぼ四つの展開パターンを持っていることにも気づきました。


ユングは人類の共通する夢が神話や昔話となっているとして、夢分析をする上で神話や昔話を手掛かりにしたのです。


「初めに言葉ありに」

と言います。


私たちが何かを認識することができるのは、言葉があるからです。


設計者の多くは図面を描くことを得意としますが、言語化は意外と不得意な人が多いようです。


私は図面を描くことと、それを言語化することと、両方をするようにしています。

それによって、より認識を深くすることができるからです。


設計者の多くが図面は描けても、言語化できないというのには理由があります。

図面を描く作業の多くが右脳を使っているからです。

右脳は創造的な力を持っています。

しかし、それだけでは一人よがりの「想像」になってしまいます。

言語は左脳を使います。

ですから、右脳の「想像」を左脳で言語化し、両脳で認識し、「創造」するのです。

これがバランスをとれた設計をする上でとても大切です。


脳のバランスをとるために、私は図面をCADで描き始めた当初から、マウスを左手で使うように訓練しました。数字のテンキーは右にあるので、右手を使います。

それは合理的です。

脳と手は反対ですから、右脳は左手、左脳は右手なのです。

マウスで絵や線を右脳で描くために左で操作し、言語や数字を右脳を働かせるために右手を使うのです、


その訓練のおかげで、右脳と左脳がバランスよく発達させることができました。


私は設計をストーリーとしてとらえています。

それは何かといえば、潜在意識、夢の世界、神話や昔話と人間の深層意識が深くつながっているからなのです。


手仕事をするユング

私は火と遊ぶことを発見した。






Ken Pro  建築プロデュース

建築家は魔法使いです。それまでこの世に存在しなかったものが、創造力で物質化します。 その創造力は、クライアントの要求を物語にできるかどうかからはじまります。 ただの箱をつくるか、物語をつくるか、 それはクライアント自身が決めてください。 ただの箱をつくるなら、このサイトは必要ありません。 物語を創りたいクライアントのために、建築プロデュースはヒント、あるいは仮説をご用意しました。

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