天井不要の意味とは
天井というものは、昔の建物にはありませんでした。
構造体がそのままむき出しになっていたからです。
現代の住宅のほとんどは天井があります。そこは配管・配線スペースなどに使われていて、見せたくないものが収納されています。
しかし、そのためだけに天井が必要でしょうか?
天井のように見える板は野地板です。天井がなく、屋根が天井となっているので、無駄な空間がありません。
ここも同様に野地板が天井になっています。
奥の狭い空間にも収納が可能です。利用し尽せるようになっています。
天井の杉板は2階の床板の裏側です。
ここの天井も2階の床板の裏側です。
最大限の高さがとれてより多くの収納ができます。
天井を張るのは、施工上楽ができるという点があります。
2階床は合板で下地をつくり、配線などを隠せるので、気を遣う必要がありません。
床板を厚い無垢の板でつくれば、それを隠す必要はありません。木は呼吸し、湿度の調整をしてくれます。
昔はこれが当たり前の作り方でした。
安易な、そして安価な石膏ボード、そしてビニールクロスが出現して、何でも隠す方が楽になっていったのではないでしょうか?
しかし、石膏ボードも、ビニールクロスも、呼吸をしません。
構造が木造で呼吸する材料であっても、その周りに呼吸できない材料で覆うと、そこに弊害が生じます。湿気が放出できなくなり、カビが生えるなどの現象が起こります。
鉄骨のようなもともと呼吸しない材料ならいいのですが、木材を使う以上、呼吸する材料と呼吸しない材料を混じらせると、その境界に結露という現象が起こりやすくなります。
呼吸する者同士であれば、互いに吸湿し、放湿するので、境目にトラブルは起きません。
木と漆喰の組み合わせは、呼吸が合うのです
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