薪ストーブとながら家事

薪ストーブを設置したいという要望は多くあります。

火を見る生活は、憧れでもあります。


薪ストーブの性能は、薪ストーブと共に、煙突で決まる部分があります。

煙突の断熱性能が悪いと、上昇気流(ドラフト)が発生しづらくなるため、より多くの薪を燃やし、温度を上げなければなりません。

断熱性能の良い煙突を採用すれば、燃やす量を少なくしても、ドラフトが上がるため、薪の消費を少なくして、トロトロとゆっくり燃える状態になります。

私の設計した建物は断熱二重煙突を採用しています。

二重になった煙突の間に断熱材が入っていて、熱を逃がさない仕組みになっています。

床はテラコッタ風タイル仕上げで周囲の床とフラットに納まっている。


私がおすすめする薪ストーブの設置方法は、周囲の床とフラットで、燃えない素材でできていること、灰や火の粉が飛び散っても焦げたり汚れたりしない土間仕様です。

ストーブを台の上に載せているのは、空間を狭く感じさせてしまうのと、段差が危険なので、おすすめしていません。

それと、せっかく火を見て楽しめるのですから、火が見える位置に座れるかどうか、火とどのように向かい合うかを全体的に考えます。

ここでは一段高くなった無垢フローリングの上に腰かけて火を眺められるようになっています。

椅子などなくても、段差をつけることで、そこが椅子になり、夫婦で火を囲うことができます。

ここの場合、キッチンも土間仕様になっているため、サンダル履きのまま、おつまみをつくり、薪ストーブンの前でお酒でも飲みながらくつろぐことができます。

同時にキッチンと別に食卓にもパーティーシンクがついているので、いろいろなシチュエーションでの飲食、集いが展開できます。


昔の家は、テレビの前がお茶の間の団欒の場でした。

しかし、テレビを前にしては、家族や夫婦のコミュニケーションは成立しません。

火を見ながらの団欒、夫婦のコミュニケーションはとても奥行きがあるように思います。

もちろん、ずっと火の前に座っているわけにもいきません。

理想はそうでも、現実はそうなりません。

ですから、落ち着ける火を見るシチュエーションとともに、ながら家事のできる、動線とマッチングしなければならないと思うのです。


Ken Pro  建築プロデュース

建築家は魔法使いです。それまでこの世に存在しなかったものが、創造力で物質化します。 その創造力は、クライアントの要求を物語にできるかどうかからはじまります。 ただの箱をつくるか、物語をつくるか、 それはクライアント自身が決めてください。 ただの箱をつくるなら、このサイトは必要ありません。 物語を創りたいクライアントのために、建築プロデュースはヒント、あるいは仮説をご用意しました。

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