建物は意志を持っている
建築に関する仕事を年間続けていますと、建物はなりたいようになる意志を持っていると思わずにいられません。
私たちは建物を造るのではなく、建物の意志を聞き、その意志を実現させる手助けをしていると感じるのです。
植物、昆虫、動物などの生命にはそれぞれ独自の形があります。鉱物の結晶にもそれぞれに形があります。
その形は美しく、調和しています。
つまり、建物も、美しく、調和することを望んでいる、いわば宇宙の法則があるように思います。
何かがうまく進まないというのは、どこかで調和が崩れていることを意味しているのです。
修正し、調和すると、その先に進んでいきます。それは修正前に比べ、より調和しているからです。
そうした建物の意志を受け止め、その向かいたい方向へと進めていくのが設計者の役割だと思います。
色彩を決めることひとつとっても、そこに建物がなりたがっている調和があります。
それは調律のようでもあります。色と色の組み合わせは、波長の組み合わせであり、協和と違和があります。違和感のある色の組み合わせは、とても気分が悪くなります。
その空間に居て、快適なのは調和した色彩に囲まれることです。
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